* GMail をバックアップストレージとして使う
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GMail の 1GB という容量を生かして、バックアップストレージとして使う方法。
ストレージというと大げさな感じがするが、やってることは暗号化したアーカイブファイルを GMail にメール送信するスクリプトを書き、これを cron で一時間ごとに実行するだけ。GmailFS などを使ってファイルシステムとしてマウントするのも一つの方法だとは思うが、バックアップなんだから安定性重視でいきたいし、こういうのはシンプルな方がいい。
今日の戯言 ChangeLog 主にテキストファイルを gmail にバックアップ
http://apollo.u-gakugei.ac.jp/~sunaoka/clog/2004-11.php#2004 ...
1GB の容量を与えられたらそれを活用しようとする人はたくさんいるし、実装もたくさんあるようなので確かに車輪の再発明かもしれないですね。でも、自分好みの機能やインターフェイスにしたいなら、スクリプトを書いちゃう方が良いと思います。File::MMagic と Compress::Zlib を使って、テキストだったら圧縮するという機能は面白いと思いましたし。
送信先は GMail をはじめとするメールボックス容量に余裕のあるアドレス。メールなので数十メガバイトのファイルのバックアップという用途には適さない。ChangeLog メモのファイルや自分用 CVS リポジトリ、etc ディレクトリなど、小さなものだけをバックアップしている。Gmail のアカウントを取得する前は一日一回だったが、Gmail ができてからは一時間に一回に実行頻度を上げた。
内容にもよるが、外部にデータを持ち出すなら暗号化は必須だと感じている。GnuPG を使えばフリーで強力な暗号を利用可能。具体的には 2004-01-08 で書いた「gpg で標準入力からパスワードを渡してバッチ処理で暗号化」を利用し、GPG の共通鍵暗号で暗号化している。
暗号化アルゴリズムには AES256 (256bit Advanced Encryption Standard) を指定。gpg のデフォルトの CAST5 でも良いと思うけど、AES は NIST (National Institute of Standards and Technology 米国商務省技術標準局) 御用達の暗号化アルゴリズムとのことなので、これを使うことにした。
Perl だったら Crypt::CAST5 や Crypt::Rijndael とか使うのが一般的なのかな?
以前は暗号化した圧縮ファイルの md5 ハッシュを取っておいて、前回と異なったときのみメール送信という動きにしていたが、その機能は外してしまった。そういう意味では一度ファイル出力せずに直接 samail の標準入力に渡した方がシンプルだな。よし、samail の次のバージョンでは標準入力から読み込んだデータを添付ファイルとして送信できるようにしよう。
PASS_PHRASE に gpg に渡すパスフレーズ、TAR_TARGET にバックアップしたいファイルやディレクトリのパス、OUTPUT_PATH に暗号化した圧縮ファイルの出力先を記述。あとは To と From と SMTP サーバ名を書いて完了。Ruby のパスを /usr/local/bin/ruby と samail のパスを /home/hiroaki/script/samail とハードコーディングしてるのはあまり良くないかも。
私の場合 cygwin ネイティブのファイルシステムと /cygdrive の両方にバックアップしたいファイルがあるため、/ からフルパスで TAR_TARGET を記述している。このせいで tar に以下のようなメッセージを表示されるけど、実害がないので問題ないだろう。
メール送信時に Subject に特徴的な文字列を入れておき、その文字列でフィルタリング。マッチしたメールは自動的に Trash 行きになるように設定する。こうすることで「30日を過ぎたバックアップファイルは自動的に削除」を実現できる。
一回 1MB のファイルを送るとして、1MB * 24時間 * 30日 = 720MB 、Base64 すると 3分の4倍くらいになるので、それを含めても 1MB * 24時間 * 30日 * 4 / 3 = 960MB。24時間稼働のマシンでなければ頻度はもっと減るし、一日一回にしておけばさらに余裕。ところで、GMail って添付ファイルは Base64 デコードした状態でファイルサイズを計算している気がするんだけど気のせいかな。
--force-mdc オプションなしで暗号化したファイルの場合、以下のメッセージが表示されるかも知れない。これについては私も詳しくないので言及しない。とりあえず --force-mdc を付ければ警告は出なくなる。
bzip2 の警告は、末尾になにか余計なデータがあるので無視するよ、というもの。理由は不明。tar の出力を直接 gpg の標準入力に渡しているから?
ITmediaニュース:GmailがPOP3サポート、ウイルス対策も提供へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0411/11/news010.html
これでさらにストレージとして利用するのが簡単になった。そのうち 読み書き用の API を書く人も出てくるだろうな。POP/SMTP ベースだと遅延があるのでリアルタイム性を要求するアプリケーションには使えないだろうけど、用途を選べば充分使える。
ストレージというと大げさな感じがするが、やってることは暗号化したアーカイブファイルを GMail にメール送信するスクリプトを書き、これを cron で一時間ごとに実行するだけ。GmailFS などを使ってファイルシステムとしてマウントするのも一つの方法だとは思うが、バックアップなんだから安定性重視でいきたいし、こういうのはシンプルな方がいい。
今日の戯言 ChangeLog 主にテキストファイルを gmail にバックアップ
http://apollo.u-gakugei.ac.jp/~sunaoka/clog/2004-11.php#2004 ...
主にテキストファイルを gmail にバックアップするつもりででっち上げてみたが,車輪の再開発のような気がしてならない.
1GB の容量を与えられたらそれを活用しようとする人はたくさんいるし、実装もたくさんあるようなので確かに車輪の再発明かもしれないですね。でも、自分好みの機能やインターフェイスにしたいなら、スクリプトを書いちゃう方が良いと思います。File::MMagic と Compress::Zlib を使って、テキストだったら圧縮するという機能は面白いと思いましたし。
- GMail をバックアップストレージとして使う - 私の場合
私の場合、シェルスクリプトで tar と gpg を呼び出して圧縮と暗号化をおこない、2004-10-09 と 2004-11-01 で書いた「添付ファイル付メールを送信する Ruby スクリプト」である samail で SMTP サーバに投げている。送信先は GMail をはじめとするメールボックス容量に余裕のあるアドレス。メールなので数十メガバイトのファイルのバックアップという用途には適さない。ChangeLog メモのファイルや自分用 CVS リポジトリ、etc ディレクトリなど、小さなものだけをバックアップしている。Gmail のアカウントを取得する前は一日一回だったが、Gmail ができてからは一時間に一回に実行頻度を上げた。
内容にもよるが、外部にデータを持ち出すなら暗号化は必須だと感じている。GnuPG を使えばフリーで強力な暗号を利用可能。具体的には 2004-01-08 で書いた「gpg で標準入力からパスワードを渡してバッチ処理で暗号化」を利用し、GPG の共通鍵暗号で暗号化している。
暗号化アルゴリズムには AES256 (256bit Advanced Encryption Standard) を指定。gpg のデフォルトの CAST5 でも良いと思うけど、AES は NIST (National Institute of Standards and Technology 米国商務省技術標準局) 御用達の暗号化アルゴリズムとのことなので、これを使うことにした。
Perl だったら Crypt::CAST5 や Crypt::Rijndael とか使うのが一般的なのかな?
#!/bin/sh
# gmail_backup.sh
# Archiving, Crypting, and mail sending script
# Copyright (C) 2004 Saito Hiroaki <sonic64@infoseek.jp>
# http://sonic64.com/
# setup
PASS_PHRASE="MY SECRET PASS PHRASE STRING"
TAR_TARGET="/home/hiroaki/log.txt /home/hiroaki/etc /cygdrive/s/cvsroot"
OUTPUT_PATH="/home/hiroaki/tmp/backup.tar.bz2.encoded"
to_address="to@example.com, to@gmail.example.com"
optional_adderss="to@daily.example.com"
from_address="from@example.com"
smtp_server="smtp.example.com"
date
echo $TAR_TARGET
echo $PASS_PHRASE | { tar --bzip2 -cf - $TAR_TARGET |gpg --batch -c --cipher-algo AES256 --force-mdc --passphrase-fd 3;} 3>&0 >$OUTPUT_PATH
echo output to $OUTPUT_PATH
echo archiving complete
if [ `date +%H` -eq 23 ]; then
to_address="$to_address $optional_adderss"
fi
/usr/local/bin/ruby /home/hiroaki/script/samail -v --to "$to_address" --from $from_address --smtp $smtp_server --subject "[GMail Backup] `date +%c`" --attachment $OUTPUT_PATH
date
echo mail send complete
以前は暗号化した圧縮ファイルの md5 ハッシュを取っておいて、前回と異なったときのみメール送信という動きにしていたが、その機能は外してしまった。そういう意味では一度ファイル出力せずに直接 samail の標準入力に渡した方がシンプルだな。よし、samail の次のバージョンでは標準入力から読み込んだデータを添付ファイルとして送信できるようにしよう。
- gmail_backup.sh の設定方法
# setup のところに設定を書く。PASS_PHRASE に gpg に渡すパスフレーズ、TAR_TARGET にバックアップしたいファイルやディレクトリのパス、OUTPUT_PATH に暗号化した圧縮ファイルの出力先を記述。あとは To と From と SMTP サーバ名を書いて完了。Ruby のパスを /usr/local/bin/ruby と samail のパスを /home/hiroaki/script/samail とハードコーディングしてるのはあまり良くないかも。
私の場合 cygwin ネイティブのファイルシステムと /cygdrive の両方にバックアップしたいファイルがあるため、/ からフルパスで TAR_TARGET を記述している。このせいで tar に以下のようなメッセージを表示されるけど、実害がないので問題ないだろう。
tar: Removing leading `/' from member names
- GMail 側の設定
Gmail といえども 1GB しか容量がないので、古いバックアップファイルは削除する必要がある。Gmail の Trash ディレクトリは 30日過ぎると削除されるという性質があるので、これを利用する。この性質は Trash を開いたときに出るメッセージに書かれていた。Note: Trashed messages more than 30 days old will be automatically deleted.
メール送信時に Subject に特徴的な文字列を入れておき、その文字列でフィルタリング。マッチしたメールは自動的に Trash 行きになるように設定する。こうすることで「30日を過ぎたバックアップファイルは自動的に削除」を実現できる。
- メール送信の頻度はどれくらいがよいか
これはもうお好みで良いと思う。一日一回くらいでも充分なんじゃないかと思うが、せっかく容量があるんならいっぱい送っちゃえ、ということで一時間に一回にしている。一回 1MB のファイルを送るとして、1MB * 24時間 * 30日 = 720MB 、Base64 すると 3分の4倍くらいになるので、それを含めても 1MB * 24時間 * 30日 * 4 / 3 = 960MB。24時間稼働のマシンでなければ頻度はもっと減るし、一日一回にしておけばさらに余裕。ところで、GMail って添付ファイルは Base64 デコードした状態でファイルサイズを計算している気がするんだけど気のせいかな。
- 一日一回だけ別のアドレスを追加して送信
このスクリプトは cron で一時間ごとに起動しているが、23時台に起動したときだけ optional_adderss にセットされた送信先を追加している。Gmail ほどメールボックス容量に余裕がないアドレスなので、一日一回だけの送信にしたいからだ。Gmail の予備として使っている。if [ `date +%H` -eq 23 ]; then
to_address="$to_address $optional_adderss"
fi
- 分割すれば巨大ファイルでも OK?
分割すれば数十メガバイト単位の巨大ファイルでもバックアップできるが、いざリストアしようと思ったときに分割したメールを連結するという手間をかけたくない。標準で POP で受信できない場合はなおさら。そういう巨大ファイルは他の方法を使うべきでだ。どうしてもネットワーク経由でのバックアップがしたいなら、2004-03-19 で書いた「Linux: gpg: ftp: ftp + tar + gpgで暗号化ネットワーク・バックアップ」などが使えるかもしれない。- 正常に復号して圧縮ファイルを展開できるかどうかのテストを忘れずに
バックアップしただけで安心してはいけない。いざという時にに迅速にリストアできなければ意味がない。私は以下のようにして復号と圧縮ファイルの展開をしている。$ echo "MY SECRET PASS PHRASE STRING" |gpg --passphrase-fd 0 -o - backup.tar.bz2.encoded |tar -x --bzip2
Reading passphrase from file descriptor 0
gpg: AES256 encrypted data
gpg: encrypted with 1 passphrase
bzip2: (stdin): trailing garbage after EOF ignored
--force-mdc オプションなしで暗号化したファイルの場合、以下のメッセージが表示されるかも知れない。これについては私も詳しくないので言及しない。とりあえず --force-mdc を付ければ警告は出なくなる。
gpg: WARNING: message was not integrity protected
bzip2 の警告は、末尾になにか余計なデータがあるので無視するよ、というもの。理由は不明。tar の出力を直接 gpg の標準入力に渡しているから?
- 「フッフッフッフッフッフッ まぬけめ! Gmail」「や…やろう まさか!」「きさまのおかげで ストレージ利用がしやすくなったぞッ!」
追記。Gmail が POP3 をサポートするとのこと。ITmediaニュース:GmailがPOP3サポート、ウイルス対策も提供へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0411/11/news010.html
これでさらにストレージとして利用するのが簡単になった。そのうち 読み書き用の API を書く人も出てくるだろうな。POP/SMTP ベースだと遅延があるのでリアルタイム性を要求するアプリケーションには使えないだろうけど、用途を選べば充分使える。
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