佐々木俊尚氏の「グーグル - Google 既存のビジネスを破壊する」を読了。所要時間は1時間57分53秒。
この本では、ここ5年くらいに Google が発表したサービス、Google がどうやって利益を上げているのか、そして Google が何をしようとしているのかを知ることができる。技術的な描写はほとんど無い。Google は高い技術力と膨大なコンピュータ資源がある、ということくらいしかない。全体的に読みやすかった。
この本は Google を題材にしているが、取り扱っている題材は Google だけに限定した話ではない。検索、ロングテール、アテンションの収集、データの蓄積などは他の企業なども取り組んでいる。つまり、Web で起きていることと、今後の潮流を書いている本だ。ただ、Google は成長して大きな利益を上げる企業になっているようだし、優れた技術者を大勢抱えていることもあって、Google の動向はいやがおうにも目にとまる。そのため、Google を解説することはこれらの題材の先端の部分を解説することになる。この本はそういう書き方をしている。
第6章の管理と監視が進んだ社会は、改めて指摘されると不安になる。著者も書いているが、これは Google がやらなくても、テクノロジーが進めば多くの企業で十分実現可能になる。それが実用化されるのはいつになるかわからないけど、少しずつ進んでいく。過去にそういう便利な社会を想像して胸を高鳴らせたことがあるけど、いざそれが可能になると、その陰の部分が気になってくる。
個人的には便利さを重視して、こういった社会を受け入れることになりそう。人格を複数用意し、それぞれの人格に情報を分散させて個人の特定をされにくくするなど、ある程度の自衛はするだろうけど、技術が進むとそれも無力なような気がする。というか、今でさえそういった自衛を不完全にしかできていない私なので、技術が進んだ社会で私がそれを完璧にこなすのは難しいだろう。
1章。
Google は、テクノロジーを使って既存の仕組みを破壊していく。様々なサービスを無償でユーザに提供し、既存のプレイヤー達を駆逐し始めている。
2章。
検索は、ユーザーの要求そのものに非常に距離の近い技術である。そこには大きな市場がある。検索エンジン広告は、このことをうまく利用したシステムだ。
3章。
検索エンジン広告は、いままでのメディアがカバーしきれなかった領域や、カバーできたとしてもコストがかかりすぎる領域を低コストでカバーすることができる。羽田空港の民間駐車場の物語はその好例だった。
4章。
検索という技術とインターネットによって、いままでカバーされなかった領域をカバーすることとができるようになった。この領域はロングテールと呼ばれている。
5章。
これからの時代では、アテンション、すなわちどれだけ注目を集められるかに価値がある。注目が多ければ多いほど、人やデータが集まる。そこに広告を絡めることで莫大な利益を生み出す。これは広告代理店のビジネスモデルである。
6章。
あらゆるデータを蓄積していくと、それは神の存在を生み出す。そして、その神から見放されることは存在の消滅を意味するようになる。また、国家による監視よりも、データを持っている民間による監視が進む。
- Google そのものというより、ウェブの潮流を解説した本
この本では、ここ5年くらいに Google が発表したサービス、Google がどうやって利益を上げているのか、そして Google が何をしようとしているのかを知ることができる。技術的な描写はほとんど無い。Google は高い技術力と膨大なコンピュータ資源がある、ということくらいしかない。全体的に読みやすかった。
この本は Google を題材にしているが、取り扱っている題材は Google だけに限定した話ではない。検索、ロングテール、アテンションの収集、データの蓄積などは他の企業なども取り組んでいる。つまり、Web で起きていることと、今後の潮流を書いている本だ。ただ、Google は成長して大きな利益を上げる企業になっているようだし、優れた技術者を大勢抱えていることもあって、Google の動向はいやがおうにも目にとまる。そのため、Google を解説することはこれらの題材の先端の部分を解説することになる。この本はそういう書き方をしている。
第6章の管理と監視が進んだ社会は、改めて指摘されると不安になる。著者も書いているが、これは Google がやらなくても、テクノロジーが進めば多くの企業で十分実現可能になる。それが実用化されるのはいつになるかわからないけど、少しずつ進んでいく。過去にそういう便利な社会を想像して胸を高鳴らせたことがあるけど、いざそれが可能になると、その陰の部分が気になってくる。
個人的には便利さを重視して、こういった社会を受け入れることになりそう。人格を複数用意し、それぞれの人格に情報を分散させて個人の特定をされにくくするなど、ある程度の自衛はするだろうけど、技術が進むとそれも無力なような気がする。というか、今でさえそういった自衛を不完全にしかできていない私なので、技術が進んだ社会で私がそれを完璧にこなすのは難しいだろう。
- グーグル - Google 既存のビジネスを破壊するに書いてあったことのメモ
以下、書いてあったことのメモ。1章。
Google は、テクノロジーを使って既存の仕組みを破壊していく。様々なサービスを無償でユーザに提供し、既存のプレイヤー達を駆逐し始めている。
2章。
検索は、ユーザーの要求そのものに非常に距離の近い技術である。そこには大きな市場がある。検索エンジン広告は、このことをうまく利用したシステムだ。
3章。
検索エンジン広告は、いままでのメディアがカバーしきれなかった領域や、カバーできたとしてもコストがかかりすぎる領域を低コストでカバーすることができる。羽田空港の民間駐車場の物語はその好例だった。
4章。
検索という技術とインターネットによって、いままでカバーされなかった領域をカバーすることとができるようになった。この領域はロングテールと呼ばれている。
5章。
これからの時代では、アテンション、すなわちどれだけ注目を集められるかに価値がある。注目が多ければ多いほど、人やデータが集まる。そこに広告を絡めることで莫大な利益を生み出す。これは広告代理店のビジネスモデルである。
6章。
あらゆるデータを蓄積していくと、それは神の存在を生み出す。そして、その神から見放されることは存在の消滅を意味するようになる。また、国家による監視よりも、データを持っている民間による監視が進む。
- すべての記事の見出し (全1029件)
- 全カテゴリの一覧と記事の数
- カテゴリごとに記事をまとめ読みできます。記事の表題だけを見たい場合は、すべての記事の見出し (カテゴリ別表示) へ。
- .net (57件)
- 2ch (19件)
- amazon (5件)
- Apache (22件)
- bash (13件)
- Bookmarklet (9件)
- C# (45件)
- chalow (18件)
- ChangeLog メモ (20件)
- coLinux (2件)
- CSS (5件)
- Delphi (5件)
- DVD (6件)
- Excel (1件)
- F-ZERO (4件)
- FF12 (31件)
- ftp (8件)
- Google (21件)
- gpg (7件)
- HTML (19件)
- http (19件)
- IE (10件)
- IIS (4件)
- iPod (2件)
- JavaScript (14件)
- Linux (63件)
- MCP (6件)
- Mozilla (14件)
- MS SQL Server (30件)
- MySQL (4件)
- Namazu (3件)
- PC (48件)
- Perl (58件)
- PHP (2件)
- Postgres (36件)
- proftpd (2件)
- qmail (1件)
- RFC (4件)
- RSS (33件)
- Ruby (15件)
- samba (3件)
- sonic64.com (6件)
- SQL (15件)
- Squid (3件)
- ssh (7件)
- Subversion (3件)
- unix (31件)
- VSS (2件)
- Windows (34件)
- winny (9件)
- XML (9件)
- xyzzy (17件)
- おいでよ どうぶつの森 (19件)
- お菓子 (5件)
- アスキーアート (13件)
- アニメ (9件)
- クレジットカード (2件)
- ゲーム (120件)
- シェルスクリプト (18件)
- シレン2 (8件)
- セキュリティ (9件)
- ソフトウェア (21件)
- デザインパターン (2件)
- ネットワーク (30件)
- バックアップ (17件)
- プログラミング (14件)
- マリオカートDS (3件)
- メール (26件)
- メモ (116件)
- ラーメン (11件)
- 音楽 (59件)
- 給油 (3件)
- 三国志大戦 (13件)
- 車 (7件)
- 書斎 (4件)
- 食 (30件)
- 買い物 (17件)
- 簿記 (8件)
- 本 (32件)
- 漫画 (9件)
- 2007-04-23 (Mon)
- 2007-03-07 (Wed)
- 2007-02-27 (Tue)
- 2007-01-17 (Wed)
- 2007-01-15 (Mon)
- 2007-01-14 (Sun)
- 2007-01-08 (Mon)
- 2006-12-01 (Fri)
- 2006-11-22 (Wed)
- 2006-11-20 (Mon)
- 2006-11-19 (Sun)
- 2006-09-30 (Sat)
- 2006-08-29 (Tue)
- 2006-08-04 (Fri)
- 2006-07-27 (Thu)
- 2006-07-23 (Sun)
- 2006-07-17 (Mon)
- 2006-07-10 (Mon)
- 2006-07-06 (Thu)
- 2006-07-03 (Mon)
- 2006-06-29 (Thu)
- 2006-06-28 (Wed)
- 2006-06-27 (Tue)
- 2006-06-25 (Sun)
- 2006-06-19 (Mon)
- 2006-06-18 (Sun)
- 2006-06-15 (Thu)
- 2006-06-11 (Sun)
- 2006-06-01 (Thu)
- 2006-05-30 (Tue)
- プロファイル
- 斎藤 宏明。エンジニアです。宇都宮市に住んでいます。
- リンク
- RSS
- スポンサードリンク
- Powered by
- ☆さくらインターネット☆